日本生ハム協会 生ハム・スペイン料理食レポ企画
早稲田大学スペイン語研究会と日本生ハム協会のタイアップとしてスペイン料理店レポート企画第二弾を行いました。今回は協会会員の方がサービスマンをされている月島スペインクラブさんを訪問しました。 訪問日:2023年3月18日。
1.お店について 2023年3月18日 訪問
月島スペインクラブは東京都中央区に位置し、株式会社スペインクラブが運営する1994年開業の老舗スペインレストランです。お店の1階にはカウンター席、フロア席があり、2階にはソファ席が並びます。2階にはスペインの美術品がたくさん飾られている点も見逃せません。店の入り口の扉はスペインのバーを連想させるようなつくりで重厚感がありました。カウンター席の様子はまさにバーそのもので様々な種類の酒が並んでいました。
また、毎週月曜日にはレストランでフラメンコショーも開催しています。
ところで、レストランで使用する食材も自社で経営するZAS(サス)という輸入会社から直接仕入れているとのことです。下の写真のブランデーは輸入会社から仕入れたもの。
2.料理のレポート、感想
前菜
バスク風サラダ
トマトとオリーブ、グレープフルーツの絡みが良かった。グレープフルーツは愛媛県産無農薬のものを使用しているとのことで、サラダ全体のアクセントを引き出していました。サラダの上にのっていた卵も相性抜群。
生ハム
Jamón iberico de BallotaとJamón Serrano。ともに手切りで、産地はエストレマドゥーラ(スペイン西部の州)。
前者はドングリを食べて育ったベジョータというイベリコ豚で、不思議な味わいがあった。微かな苦味と肉のうま味がよくマッチしていた。後者も塩味があって食べ応えがあった。スティック(スペイン語ではpicos)に巻いて一緒に食べるとより味わい深く感じた。
ハモンイベリコはハモンセラーノと比べると脂気が多いのが特徴で、色もハモンセラーノより暗い赤に見える。実はハモンイベリコは36カ月も熟成されているそう。ハモンセラーノはおよそ18カ月。豚の種類にもよるが、熟成期間の違いによってそれぞれの味や肉質にも違いが出てくるのだそう。
チョリソー
程よい塩味があって美味しかった。ピリッとくる辛味もアクセントになっていて食べ応えがあった。ビールやワインとあっていた。
アヒージョ
マッシュルームのアヒージョ。あっさりで、すっきりした味だった。汁だけが残っても、バゲットを浸して最後まで美味しく食べられる。
仔羊骨付きチュレタのアサード
「チュレタ」とはスペイン語で「骨付きのステーキ」を意味する。バスク地方などの地域では有名な料理で、牛肉や豚肉のチュレタも食べられている。仔羊骨付きチュレタはスペインクラブ一押しでZAS(自社経営の輸入会社)からしか輸入できないとのこと。
仔羊のチュレタの感想だが、脂がのっていて赤みがかっていた。肉はかなり柔らかくて口の中で溶けるようだった。羊の肉=固い、というイメージがあったので斬新な感じがした。また羊と聞いてクセが強い肉なのかと思いきや肉の臭みもなく、とても食べやすかった。岩塩を少し振りかけて食べるとチュレタの本来の風味がよく感じられる、ぜいたくな一品だった。
パエリア
〆の料理としてパエリアを注文した。豚肉、エビ、ムール貝が入ったオーソドックスなパエリアで、出汁がよく出ていて美味しかった。米の食感はモチモチ、しっかりと味が浸み込んでおり後味もスッキリしていた。ワインによく合っていた。
ワイン
バルセロナ内陸が産地のクリスティアリ・ロゼを注文した。
フレッシュかつ酸味もまろやかで飲みやすい。ワイン単体でもその味を楽しめるがそれ以上に、生ハムやチュレタなど料理の味を引き立てるようなワインとしても楽しめた。
ビール
スペインのビールといえばアルハンブラ!よく泡立っているのもポイント。苦味が少なく、新鮮な味がしてとても飲みやすかった。
3.小松崎さんについて
今回のレポート企画の取材にご対応いただいた生ハム協会会員の小松崎涼さん。
お忙しい中ではありましたが、我々の取材に気さくに応じていただきました。
小松崎さんはソムリエの資格取得をきっかけとしてスペインの道に進まれ、これまで銀座店、市ヶ谷店、門前仲町店、月島本店にて勤務をされ、現在は月島スペインクラブでサービスマンをされています。生ハム協会には本物の生ハムへの歴史、見聞を広めスキルのブラシュアップが目的で入会されエキスパート資格を取得されたとのことです。
生ハムについて、「自社でスペインより直接輸入をさせて頂いているハモンをより多くの方々へ伝える間口としたい。」と熱い思いを語られました。
4.まとめ
今回は日本生ハム協会とスペイン語研究会のタイアップとして月島スペインクラブさんを訪問し、本場のようなスペイン料理をいただきました。
どの料理もそれぞれ違った味わいがあって楽しめました。
さて、本題の生ハムでしたが取材の途中に小松崎さんが生ハムをスライスするということで特別にその様子を拝見させていただきました。
日本生ハム協会エキスパート資格を保有されている小松崎さん。生ハムのカッティングは見事な腕前。
小松崎さんとお店の前で記念撮影 (左から、小松崎さん、Ren、BDJ、コモエスタ篠原)